ケアマネジャー
「じゃあ、来週の水曜日、午後一時に病院のデイルームで待ち合わせね。お願いしてる人は、前の会社の人の中で一番仕事が出来て、一番信用のおける人なんだよ。その人が紹介してくれる人なんだから間違いないよ」
と、心強い言葉を胸に、姉と二人で病院へ。
女性か男性かも聞かぬまま、「いい人だったらいいね」と言い合いながら、
二人とも目線は出てくるであろうエレベーターを見つめる。
しばし待つと、エレベーターから出てきた女性が私たちに近づいてくる。
が、初めましての挨拶の最中も姉を凝視。
………?
「りんちゃん?りんちゃんだよね!」
と姉の名を呼ぶ。
「………?」
「ほら、私!きみこ!」
「あーーー!きみちゃん!」
なんと、姉の中学の同級生だったのだ。
「うちの会社、この病院からの紹介は受けないことにしてるんだ。だって、この病院の包括、全然動かないって評判なんだよ」と。
姪がお願いした人にお世話になったことがあって、お返しの意味もあって一人だけ担当させてもらうねと引き受けてくれたらしい。
ありがたい。本当に、本当に。
ここまでは嫌な思いも色々したけれど、この先、施設のことや申請のことやちょっとした相談までも、本当に親身にしてもらっている。
ケアマネジャーは忙しい。ケアプランをたて、色々な手続きや申請をする。
ただ、何もしないケアマネジャーがいるのも事実。
必要以上の介護用具をあてがい、無駄なレンタル代を払わせ、結果、自力で何も出来なくなって寝たきりになったりするのだ。
私は今、介護士を目指して勉強している。できれば将来、ケアマネジャーになりたいとも思っている。目指すは母を担当してくれてるケアマネジャー。
そう、利用者本人は勿論、家族の気持ちや意向を酌み取れるケアマネジャーを目指して。